2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病・高血圧モデルにおけるスタチンの血管内皮保護作用に及ぼす麻酔薬の影響
Project/Area Number |
19591815
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
小川 幸志 Wakayama Medical University, 医学部, 准教授 (30204077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水本 一弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50239258)
畑埜 義雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70115913)
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Keywords | 糖尿病 / スタチン / 血管内皮細胞 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
前年度は自然発症2型糖尿病ラットの摘出大動脈標本を用い、内皮依存性弛緩反応に及ぼすHMG-CoA還元酵素阻害薬であるシンバスタチンの影響を検討した。その結果、シンバスタチンは対照正常ラットにおける内皮依存性弛緩反応には何ら影響を与えず、糖尿病ラットにおいて低下した内皮依存性弛緩反応を改善する作用を有することが明らかとなった。この結果を受けて今年度は、培養大動脈内皮細胞における一酸化窒素(NO)産生能に及ぼすシンバスタチンの効果を検討した。 糖尿病ラットおよび対照正常ラット大動脈から分離した血管内皮細胞を培養し、NO特異的蛍光色素であるDAF-AMに暴露し共焦点顕微鏡を用いて観察した。 ブラジキニン刺激によりDAF蛍光強度で表されるNO産生量は増加したが、その程度は糖尿病ラット由来の内皮細胞では対照正常ラットのそれに比べ、明らかに減弱していた。ブラジキニン刺激前にシンバスタチン(10^<-6>M)を前投与しておくと、対照正常ラットではNO産生量に変化はなかったが、糖尿病ラット由来の内皮細胞ではNO産生量は部分的に改善した。 以上の結果より、シンバスタチンの糖尿病ラット血管における内皮依存性弛緩反応改善作用は内皮細胞からのNOの産生改善の結果であることが示された。
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