2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアによる細胞内カルシウム緩衝作用と脳保護
Project/Area Number |
19591818
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
飯島 毅彦 Kyorin University, 医学部, 准教授 (10193129)
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Keywords | ミトコンドリア / 神経細胞死 / 膜電位 / アポトーシス / カルシウム / グルタミン酸 / MPT |
Research Abstract |
本研究では神経細胞において虚血耐性はいかに獲得されるかをミトコンドリアにおけるカルシウム緩衝能に注目して検討してきた。その結果、虚血耐性には、ミトコンドリアによるカルシウム緩衝能力が亢進していることが示された。本年度は特にミトコンドリアの形態学に注目し、超微構造の特徴を検討した。その結果、虚血耐性を示すものではミトコンドリアの内容物が増加し、管状のものが円形に変形してくることが見られた。一部のミトコンドリアでは内膜と外膜の断裂が見られ、ミトコンドリアの緩衝能の破綻した状態であるmitochondrial permeability transition(mPT)の形態学的な現われだと考えられた。ミトコンドリアはfusion(融合)とfussion(分裂)を起こしながら、細胞死を調節していることが近年注目されており、本研究で観察された現象もfusion fissionの一形態と考えられ、今後この研究の方向性が見えてきた。虚血性神経細胞死を抑制する研究は、ミトコンドリアに働きかける細胞死調節にキーポイントがあるものと考えられる。本研究はKeystone symposia“Mitochondrial dynamics and physiology"(2009年3月24日)にて発表おこなった。
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