2008 Fiscal Year Annual Research Report
GABAによる知覚神経節細胞体の興奮性修飾を介した痛み刺激伝達の抑制作用
Project/Area Number |
19591824
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
早崎 華 Osaka Medical College, 医学部, 助教 (90257866)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 義郎 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (60268183)
渡辺 正仁 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (70084902)
|
Keywords | GABA / GABAB受容体 / 片頭痛 / Baclofen / サブスタンスP |
Research Abstract |
(目的)片頭痛は三叉神経血管説により発生すると考えられている。その機序は三叉神経に何らかの刺激が加わり硬膜血管周囲に存在する三叉神経終末よりサブスタンスP(SP)などの神経ペプチドが放出され、硬膜血管拡張反応とともに血漿成分漏出が生じることによると考えられている。Baclofenは片頭痛の予防薬としても用いられているがGABAB受容体アゴニストとしても知られている。 そこで我々はGABAB受容体R2KOマウスを用い片頭痛メカニズムの解明のための検討を行った。 (方法)GABAB受容体KOマウスとWild typeの三叉神経節の神経細胞体について光顕を用いて形態学的に検討するとともに免疫染色法にてSPの局在を観察した。SP(i.v.)により硬膜血漿漏出を促し、エバンスブルー(i.v.)にてKOマウスとWild typeの硬膜血漿漏出量を比較検討した。 (結果と考察)アロデニア(本来痛みを引き起こさない触覚刺激によって発生する痛み)は感覚性神経細胞体の大きさの変化が報告されている。今回の結果ではKOマウスは大型細胞の比率が低く中・小型の細胞数が高かった。疼痛モデル動物の神経細胞の大きさに変化があることはいくつかの報告がある。この結果はKOマウスの神経伝達メカニズムが変化してる可能性を示唆する。またSP陽性細胞数と血漿漏出量についてはKOマウスがwild typeより高い結果となった。以上の事からGABAB受容体の欠損は従来の正常な神経細胞の感覚伝導の役割を変異させ過剰なSP産生を抑えきれず神経性炎症を引き起こす可能性があることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)