2007 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるインスリン様成長因子軸の臨床利用に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
19591833
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
土谷 順彦 Akita University, 医学部, 准教授 (70282176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 健 秋田大学, 医学部, 講師 (00314162)
熊澤 光明 秋田大学, 医学部, 助教 (60400488)
井上 高光 秋田大学, 医学部, 助教 (60375243)
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Keywords | 前立腺癌 / IGF-I / IGF-I受容体 / 遺伝子多型 / 免疫染色 |
Research Abstract |
進行性前立腺癌のアンドロゲン非依存性増殖を引き起こすメカニズムの一つにアンドロゲン受容体(AR)とHer2/neu、Insulin-like growth factor-I (IGF-I)、Interleukin-6(IL-6)などの増殖因子とのクロストークの存在が示唆されている。一方、進行前立腺癌の進行において、これらの増殖因子の遺伝子多型がARのクロストークによる細胞増殖を調節している可能性がある。秋田大学において、初診時に骨転移を有する前立腺癌患者116例を対象とした。患者末梢血から得られたDNAを用いて、インスリン様成長因子軸に存在する一連の分子群である、human growth factor-1 (hGH1) (T1663A)、hGHR (I545L)、IGF-I (intron4)、IGF-IR (G3174A)、IL-6 (-636G/C)、IL-6R (Asp358Ala)の6種類の遺伝子多型を解析し、予後との関連性を検討した。いずれの遺伝子多型も単独では、有意な予後との関連は認められなかった。しかし、IL-6R Ala alleleを有しかつIL-6 C alleleをホモ接合性に有する患者群は、他の群と比較して有意に予後が良好であった(p=0.029)。今回検討した遺伝子多型は、単独では進行性前立腺癌の予後との関連性はみられなかったが、IL-6とその受容体の遺伝子多型における遺伝子-遺伝子相互作用(gene-gene interaction)が、前立腺癌の進行に関連している可能性がある。
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