2007 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱求心性神経伝達における機械感受性イオンチャネルTRPA1の役割
Project/Area Number |
19591840
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
荒木 勇雄 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (50252424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英樹 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (50402053)
武田 正之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
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Keywords | 排尿 / イオンチャネル / 膀胱 / 知覚神経 / 前立腺肥大症 / 下部尿路閉塞 |
Research Abstract |
本研究における目的は、膀胱におけるTRPA1の局在を同定し、TRPA1が膀胱求心路における伸展受容器(メカノセンサー)として作用していることを証明するとともに、その作用機序を明らかにすることである。このことによって、膀胱求心路における重要な情報伝達機構が解明され、過活動膀胱などの排尿障害に対する新しい治療薬の開発に繋がるものと期待される。 1)ヒト膀胱上皮細胞にTRPA1蛋白およびmRNAの発現が確認された。正常膀胱に較べて、閉塞膀胱においてTRPA1の発現は有意かつ顕著に増加した。(UROLOGY印刷中) 2)ラット膀胱および後根神経節にTRPA1のmRNAの発現を証明した。膀胱を支配する後根神経節および膀胱粘膜直下を走行する知覚神経終末(C線維)にTRPA1蛋白の局在を証明した。(UROLOGY70:826-831,2007) 3)ラット膀胱内にTRPA1アゴニストを還流することにより、持続的液体注入によって惹起される排尿反射の間隔が短縮し、膀胱容量が減少した。このことは、膀胱のTRPA1を活性化させることにより膀胱求心路の活動が亢進したことを示している。(UROLOGY70:826-831,2007) これらの実験結果から、膀胱上皮あるいは膀胱粘膜下知覚神経終末に発現するTRPA1が膀胱知覚(尿意)神経伝達に関与していることを示唆している。さらに、ヒト閉塞膀胱上皮に過剰発現するTRPA1が閉塞膀胱における過活動膀胱発生機序に関与している可能性を示唆する。
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