2008 Fiscal Year Annual Research Report
尿路上皮癌におけるPeriostinによる浸潤・転移抑制の分子機構の解明
Project/Area Number |
19591843
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
金 哲將 Shiga University of Medical Science, 医学部, 非常勤講師 (10204968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 寛一 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (30176440)
礒野 高敬 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (20176259)
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Keywords | 尿路上皮癌 / periostin / 浸潤 / 転移 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
我々は、これまでにPeriostinの発現抑制と膀胱癌発生との関連を示し、Periostinの癌抑制遺伝子としての機能を検討してきた。その過程で、Periostinが細胞増殖活性や造腫瘍活性に影響することなく、膀胱癌細胞の浸潤・転移を抑制する活性を持つことを示してきた。この結果を踏まえ、Periostinによる癌細胞の浸潤・転移抑制の分子機構を解明するために、Periostin結合蛋白の同定を試みた。まずPeriostinを発現させた293T細胞を用い、免疫沈降法と質量分析計によりPeriostinと結合するタンパク質として、MAPキナーゼファミリーに属するTAK1の活性化因子であるTAB1を同定した。さらに、PeriostinはTAK1とも共沈すること、またPeriostinの発現によってTAK1が活性化されることも見出した。さらに、TAB1をsiRNAを用いノックダウンさせるとPeriostinによるTAK1の活性化が抑制されることもわかった。Periostinのdeletion mutantsを用いた実験では、TAB1との結合とTAK1の活性化には、PeriostinのC末端領域が重要な働きをすることも明らかにした。また、293T細胞と膀胱癌細胞株T24細胞において、TAK1またはTAB1に対するsiRNAによるノックダウンによって、Periostinによる癌細胞の浸潤抑制活性が阻害されることを明らかにした。これらの結果より、Periostinによる癌細胞の浸潤能の抑制にはTAB1/TAK1シグナル経路が重要な働きをしていると考えられる。
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Research Products
(8 results)