2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ複合体ベクターによる受容体ターゲッテイングを利用した膀胱特異的遺伝子治療法
Project/Area Number |
19591846
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
兼松 明弘 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (90437202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20324642)
中村 英二郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (90293878)
吉村 耕治 京都大学, 医学研究科, 助教 (40397542)
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Keywords | 膀胱特異的 / 新規遺伝子ベクター / 経尿道的遺伝子導入 / オキシブチニン |
Research Abstract |
本研究は、膀胱に対する効率のよい薬剤局所投与法を開発することを目的としている。昨年度は、膀胱に薬剤を局所投与した際の、マウスを用いた排尿評価系を国際学会、論文として発表し、今年度はより自然状態に近いマウスの排尿評価系を確立した。実際の投与法として、当初目的としていたナノ複合体ベクターによる遺伝子導入と、ゼラチンによる増殖因子タンパクの徐放を進めた。 1. 新たな排尿評価系の確立 本研究ではマウスモデルで膀胱局所投与を試みる予定であるが、マウスの排尿評価系は確立されておらず、治療効果の判定が難しいという難点があった。昨年度に考案したマウスの排出尿を濾紙で受け、浸透部の面積を測定することで、排尿頻度および一回量を評価するVSOP (voiding stain on paper)法を改良し、24時間自動化システムによって、自由行動のマウスの排尿状態を測定することが可能となった。 2. 膀胱に対する新規局所投与法 <ナノベクター複合体>ムスカリン受容体に反応する薬剤オキシブチニンと我々が開発した非ウイルス性遺伝子ベクターのプルランスペルミンを結合させ、今年度は、薬剤のムスカリン反応部位を変化させないナノベクター複合体を作製した。この複合体を用いて、様々な条件で、膀胱平滑筋細胞、ヒト膀胱尿路上皮細胞にin vitroで遺伝子導入を試みたが、導入効率の上昇は認めなかった。ムスカリン受容体に結合しても、エンドサイトーシスされないことが考えられた。 <ゼラチンによる増殖因子徐放>昨年度より、ゼラチンにより徐放化した増殖因子を直接膀胱に投与する方法を進めている。膀胱の収縮力を増強する因子であるbFGFを投与すると、平滑筋のギャップジャンクションの発現を誘導し、過活動膀胱の筋原性の責任因子となることを示した。この成果に基づき、国際学会で発表、論文投稿中である。
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Research Products
(2 results)