2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規樹立Xenograftを用いた前立腺癌アンドロゲン非依存性増殖機構の解明
Project/Area Number |
19591847
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
賀本 敏行 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (00281098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20324642)
中村 英二郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (90293878)
兼松 明弘 京都大学, 医学研究科, 助教 (90437202)
吉村 耕治 京都大学, 医学研究科, 助教 (40397542)
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Keywords | 前立腺癌 / 内分泌療法 / Xenograft / AR変異 / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
新規樹立した前立腺癌Xenograftを用いて前立腺癌のアンドロゲン非依存性(AI)増殖能の獲得機構を解明し、新たな治療標的分子を同定、AI前立腺癌の新規治療法の開発を目的とし研究を遂行した。 1) アンドロゲンレセプター(AR)に点変異(W741C)を持つ前立腺癌Xenograft, KUCaP/W741Cは、マウス去勢により腫瘍が縮小するが、抗アンドロゲン剤ビカルタミドが作動薬としてはたらき腫瘍が増大する。このモデルに対し、ビカルタミド投与後中止したところ、約2ヶ月後に腫瘍が縮小し始め、臨床で見られるantiandrogen withdrawal syndrome (AWS)が再現され、ARのW741C変異がAWSの原因の1つであることを示した。また、本モデルに対し抗アンドロゲン剤フルタミドを投与したところ腫瘍の縮小を認め、抗アンドロゲン剤交替療法の有用性についても示した。 2) ARが野生型である前立腺癌Xenograft, KUCaP/WTは、マウス去勢により腫瘍が縮小するが、約2ヶ月後にARの変異や発現亢進を伴わずに再増殖しAI増殖能を獲得する。このモデルを用いたDNA microarray解析により、AI獲得に際し様々な遺伝子の変動を認めた。その中の遺伝子のうち、AI獲得に際し発現が亢進していた遺伝子の1つであるProstaglandin E receptor 4(EP4)に関して、LNCaP細胞を用いた機能解析を行ったところ、EP4発現亢進そのAI増殖とPSA産生に関与することが証明された。また、臨床検体における免疫染色により、臨床におけるAI前立腺癌においても、EP4発現が亢進していた。さらに、EP4特異的拮抗剤(ONO-AE3-208)のin vivoでの抗腫瘍効果を認め、臨床応用可能な新規治療標的分子となる可能性を見出し、特許申請を行った。
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Research Products
(6 results)