2007 Fiscal Year Annual Research Report
精嚢浸潤前立腺癌の進展メカニズムの解明およびそれを標的とした新規治療の開発
Project/Area Number |
19591848
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三宅 秀明 Kobe University, 医学部附属病院, 講師 (60379435)
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Keywords | 前立腺癌 / 根治的前立腺全摘除術 / 精嚢浸潤 / 微小環境 / TGF β / uPA |
Research Abstract |
我々は概ね実施計画に記したスケジュールに沿って,実験を施行し既に幾つかの重要な成果を挙げることが出来たので以下に要約して記載する. 1.精嚢抽出液の添加により前立腺癌細胞の増殖および運動能は変化しなかったが,浸潤能の顕著な亢進が認められた. 2.種々の細胞増殖因子およびサイトカインの中で,TGFβおよびEGFが前立腺癌細胞の浸潤能を亢進させたが,TGFβに対する中和抗体のみが精嚢抽出液による浸潤能亢進作用を抑制した. 3.精嚢抽出液およびTGFβは,いずれも濃度依存性に前立腺癌細胞におけるuPAの発現を誘導し,精嚢抽出液によるuPA発現誘導は抗TGFβ抗体により抑制された. 4.免疫不全マウスの精嚢および前立腺に前立腺癌細胞を移植すると,精嚢移植群の方が前立腺移植群に比し,腫瘍増殖およびリンパ節転移ともに高度であった. 5.前立腺全摘標本におけるuPAおよびその関連分子の発現を免疫組織化学染色にて評価したところ,uPA発現レベルは生化学的再発の独立した予知因子であった. 以上の結果より,精嚢浸潤を来たした前立腺癌細胞は精嚢中に豊富に存在するTGFβによりuPAの誘導を受け,主にその浸潤能を亢進させることにより進展していく可能性が示唆された.
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Research Products
(3 results)