2008 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロゲン依存性前立腺癌細胞株へのIL6遺伝子導入による細胞形質の変化
Project/Area Number |
19591849
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
原 勲 Wakayama Medical University, 医学部, 教授 (10263378)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 免疫学 |
Research Abstract |
IL-6発現ベクターの作成:ヒト末梢血よりフィコール法にて単核球を調整しConA存在下にて3日間in vitroにて培養した細胞からRNAを抽出した。ヒトIL-6mRNAのcoding lesionを含むoligo DNAを作成しRT-PCR法にてさきほど調整したRNAよりヒトIL-6のcoding lesionを含むDNA fragmentを増幅すし、得られたDNA fragmeatをTA cloning法によりvectorに導入し、IL-6発現ベクターを作成。 IL-6強制発現細胞株の作成:LNCaP細胞に種々のヒト癌細胞株に上記のIL-6発現ベクターをlipofectamine法により導入した。薬剤耐性マーカー(Geneticin)を用いて遺伝子が導入された細胞株を選択樹立した。樹立された細胞株に関しては一定の条件で培養上清液を調整し上清液中のIL-6濃度を測定することによりIL-6強制発現株を選別した(以下LNCaP/IL-6と略す)。IL-6の濃度測定に関しては市販のELISA kitを用いた。 In vitro、in vivo増殖能の評価:遺伝子を導入する以前のLNCaPとLNCaP/IL-6、LNCaP/mocとの間に増殖能の違いがあるか否かをin vtro proliferation assayにおいて検討した。In vitro proliferationについてはトリパンブルーを用いた生細胞測定を連日triplecateにて行い増殖曲線を作成した。同時にELISA法にて測定したIL-6遺伝子導入株培養上清液中の濃度に匹敵する濃度のIL-6を、外因性に母細胞であるLNCaPの培養液中に加えた実験も同時に行ったが、in vitroでの増殖に関してはLNCaPとLNCaP/IL-6、LNCaP/mocとの間で差を認めなかった。また外因性にIL6を加えた場合においても有意な差は認められなかった。 同腫瘍をnude mouseに移植したところ母細胞のMBT2と比較して腫瘍増殖能の亢進を認めた。今後、この増殖機能亢進のメカニズムに関し実験を進める予定である。
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