2010 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロゲン依存性前立腺癌細胞株へのIL6遺伝子導入による細胞形質の変化
Project/Area Number |
19591849
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
原 勲 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10263378)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 免疫学 |
Research Abstract |
ヒトのアンドロゲン依存性前立腺癌細胞株LNCaPにIL-6の遺伝子を組み込んだ発現ベクターをlipofectamine法により導入し、IL-6強制発現株を選別した(以下LNCaP/IL-6と略す)。コントロールとして発現ベクターのみを導入したLNCaP/mocを同時に作成した。IL-6の濃度測定に関しては培養上清液を用い市販のELISA kitを用いた。母細胞であるLNCaPやLNCaP/mocでは培養上清液中にIL-6は検出されなかったのに対し、LNCaP/IL-6は約1ng/mlのIL6を分泌していた。さらに分泌されたIL6の生理活性をBioassayを用いて確認した。 LNCaP、LNCaP/moc、LNCaP/IL6との間でin vitroでの増殖能の違いについて検討したが増殖能に関し細胞間に有意な差は認められなかった。 LNCaP/IL6をnude mouseに移植したところ母細胞のLNCaPやLNCaP/mocと比較して腫瘍増殖能の亢進を認めた。このことより、IL6分泌によりLNCaPがアンドロゲンに依存しない自律的な増殖能を獲得したことが示唆された。一方、移植後に精巣摘除を行うとアンドロゲン依存性であるLNCaP/mocは退縮を示した。LNCaP/IL-6はアンドロゲン非依存性に増殖する可能性があるため精巣摘除によっても退縮を示さないことが予想されたが、予想に反しLNCaP/mocよりも著明な退縮傾向を示した。さらにこのメカニズムに関し検討を加えている。
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