2009 Fiscal Year Annual Research Report
尿細管上皮の増殖、構造・機能分化に与える脂肪組織の影響の解析および再生機構の解明
Project/Area Number |
19591858
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
魚住 二郎 Saga University, 医学部, 教授 (30223514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 修二 佐賀大学, 医学部, 教授 (80188755)
徳田 雄治 佐賀大学, 医学部, 講師 (90315200)
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Keywords | 尿細管上皮 / 再生医学 / 脂肪細胞 / 間葉系幹細胞 / 細胞増殖・分化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脂肪組織が、腎組織の主要な機能担当細胞である尿細管上皮細胞の増殖・分化に与える影響とその制御機構を解明することである。昨年までの本研究において、尿細管上皮細胞(MDCK)と脂肪組織片との混合培養系を用いた解析により、脂肪組織がMDCK細胞の細胞肥大を誘導し、遊離面に微絨毛と基底側に基底板を有する細胞極性化を促進することを明らかにした。 本年度は、これらの間質細胞とMDCK細胞との相互作用、アディポサイトカインの影響について免疫組織学的検討を追加した結果、以下の項目の知見を得た。 MDCKの変化 (1) 脂肪組織片との混合培養で、ウリジンの取り込み、すなわちMDCKの増殖が抑制された。 (2) ssDNAの形成が抑制され、アポトーシスも抑制されることを確認した。 (3) chloride/iodine transpoter(細胞膜局在イオン輸送分子)であるペンドリン、タイトジャンクション構成分子ZO-1、atypical Protein Kinase C,Cdc42の発現は亢進した。 MDCKが脂肪組織に与える影響の解析 混合培養により脂肪組織preadipocyteとCD44+/CD105+の間葉系幹細胞は減少し、アディポネクチンの産生は増加した。 以上の結果から、腎周囲の脂肪組織は尿細管上皮の増殖・分化に影響を与えるだけでなく、尿細管上皮の発育が、周囲の脂肪組織の分化・間葉系幹細胞の制御に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)