2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織弾性イメージングを用いた下部尿路症状の病態解明
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19591868
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
沖原 宏治 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 講師 (80285270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90240952)
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (10243031)
中村 晃和 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10381964)
浮村 理 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (70275220)
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Keywords | ウロダイナミクス / エラストグラフィー / 前立腺肥大症 / 経直腸的超音波断層法 / 下部尿路閉塞 |
Research Abstract |
今回、前立腺尿道部の経時的な開口動態に組織学的な弾性変化をみる目的で、組織弾性イメージング機能を用いて、排尿初期から終了にいたるまでの、前立腺部尿道の各section(例:膀胱頚部から1cm,3cm,5cm,外尿道括約筋手前1cm)の開大径のdynamic changeの定量的解析結果と、弾性イメージ(ひずみ値)の対比を行った。正常例の尿道口径の経時的推移は、排尿初期から膀胱頸部が良好に開大し、排尿2秒後から膀胱頚部径が増加し、10mm以上まで開大した。膀胱頚部は排尿20秒を超えるまで、ほぼ10mm以上を保持した。開大径は膀胱頸部より、より抹消側になるに従い、短くなった。総計12例、明瞭な追跡が可能であったが、全例、同様の傾向をしめした。膀胱頸部から1cm以上の尿道側では、排尿4秒後から描出され、ほぼ類似した開口パターンをしめした。膀胱頸部の開大様式が尿流量測定の最大尿流率時に最も開口径が大きく相関性を有することが示唆された。同じく正常症例のエラストグラフィーimagingは、前立腺部尿道周囲のひずみ値(elastic grade)は、他の前立腺部の領域(辺縁域、移行域、中心域、前方繊維筋脂肪組織)と対比すると明らかに低値であった。前立腺腹側のひずみ値は、膀胱頚部からより末梢に至るまで、全般的に低値であることが観察された。前立腺肥大症の尿道口径の経時的推移は、尿勢の減弱化に伴い、前立腺部尿道の描出不能の時間が認められ、膀胱頚部の尿道径を正常例と対比すると、排尿直後から排尿20秒後に至る全時間で有意に小さかった。前立腺肥大症のelastic gradeは、正常例と対比して、高値の部分の比率が増加し、前方繊維筋脂肪組織群に相当する部分は正常例と同様にひずみ値が低値を示していたが、腺腫部分のひずみ値はheterogenous patternを示さず、比較的層別化しており、尿道部から末梢側に移行するに従い、ひずみ値は高値を示した。以上より、排尿障害の原因の一因として、尿道部ならびに、腺腫部分のひずみ値の違いが関与していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)