2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマラクトン化合物を用いた腎障害後の進行を抑制する腎修復再生機構の解明
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19591883
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石橋 道男 Nara Medical University, 医学部, 講師 (40107032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 清秀 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264867)
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Keywords | 腎障害修復と再生 / マクロファージ / heterodimeric aminoacid transporter / 4F2hc(CD98) / rBAT / ガンマラクトン化合物 / 腎急性糸球体障害 / 腎閉塞性尿細管障害 |
Research Abstract |
腎組織障害時に腎固有の修復・再生に関わる機構が存在することを解明するための研究である。新規ガンマラクトン化合物(#523と#1376)はマクロファージ培養株であるTHP-1をヒトインターフェロン(IFN)-γと#523で、U937をヒトTNF-βと#1376でそれぞれ刺激し6-7日間培養するとheterodimeric aminoacid transporter(HAT)heavy chainの4F2hc(CD98)を前者が、heavy chainのrBATを後者が惹起する。腎障害後の修復・再生のラットモデルとして第一にpuromycin(PAN)静脈内投与後11日目をピークに高度のアルブミン尿が出現するPAN急性糸球体障害モデル、第二に左側尿管を14日間閉塞したのち閉塞部を切除し30Gカブを用いて尿路再建後7日目のs-Cr値を観察する一側尿管閉塞解除(UUO-release)モデルを用いた。PANモデルでは#523とratIFN-γ投与群は未治療の対照群に比べてPAN投与語11日目のアルブミン尿が144mg/dayから116mg/day(p<0.02)と軽減した。#523とratrIFN-γ投与群に小葉間動脈周囲リンパ組織の増生と糸球体細胞浸潤像を認め、4F2hcを発現する単核球細胞が、小葉間動脈周囲リンパ組織、糸球体内毛細血管内、ボーマン嚢上皮、糸球体周囲ボーマン嚢に接して局在した。UUO-releaseモデルで#1376とrat rTNF-alpha治療群では解除7日目のs-Cr値が1.22mg/dlと対照群の2.28mg/dlと優位な回復を示し、治療群の修復尿細管にはrBATの強い発現がみられたことから、尿細管修復過程にHATの関わりが示唆された。HATの発現が細胞の生存に関わる分子であることから上記の病理所見は治療により腎糸球体/尿細管障害時に修復機構が惹起されたことを示唆する所見と推察した。
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Research Products
(1 results)