2007 Fiscal Year Annual Research Report
ラット射精誘発モデルを用いた機能評価法の確立とその創薬ならびに副作用解析への応用
Project/Area Number |
19591884
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
米沢 章彦 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 講師 (30167738)
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Keywords | 射精 / 機能解析 / 前立腺肥大症治療薬 / 糖尿病 / 射精障害治療薬 |
Research Abstract |
当該研究は、小動物を用いた簡便かつ確実性と信頼性の高い射精機能解析・評価法を確立し、1)男性性機能において未だ有効な治療方法が確立されていない射精障害に対する新規治療薬の開発、2)近年、副作用として問題となっている前立腺肥大症治療薬の射精障害比較ならびにその障害機序の解明、3)糖尿病、特にI型糖尿病患者の合併症として高い頻度で発現する射精障害の解析とその治療薬の探索、に応用することを研究期間内の課題としている。 平成19年度は、科学研究費の補助を受け、当年度目標であった覚醒ラットにおける簡便かつ再現性と確実性の高い射精誘発方法とこれを応用した新たな射精機能の定量的評価法を確立することに成功した。その概要を列挙すると、1)胸部へのコルセット装着という簡便な操作で、覚醒ラットに確実に射精(spontaneous seminal emission;SSE)を誘発させることが可能になったこと、2)この誘発方法は再現性と確実性が非常に高く、また麻酔や外科的処置を必要しないことから動物に過度のストレスを与えることなく、長期的観点から射精機能の解析ならびに薬効評価を実施できること、3)射出されたseminal material量は長期間に亘って安定することから、これを指標とした射精機能の定量的評価が可能なこと、4)実験に汎用されるラットの系統間でSSEの発現率に差は見られないこと、5)臨床的に射精障害を惹起する薬物はこの評価系において明らかなSSE抑制作用を示すこと、などである。 平成20年度以降は、この新規機能解析・評価法を用い、前立腺肥大症治療薬の射精障害解析、糖尿病による射精障害の発症機序とその治療薬の探索、新規の射精障害治療薬・機能促進薬の探索を実施する予定である。
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