2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591888
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 節 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20240666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 幸弘 東北大学, 病院, 准教授 (10260431)
結城 広光 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60302121)
高橋 藍子 東北大学, 病院, 技能補佐員 (30436125)
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Keywords | 顕微受精 / 精子中心体機能不全 / カルシウムイオノフォア |
Research Abstract |
多数回の顕微授精(ICSI)反復不成功患者より、十分なインフォームドコンセントの上で、治療周期の余剰精子サンプルを凍結保存した。この精子について、まずウシ卵子を用いた精子星状体形成による精子中心体機能発現の評価を行った。ウシ卵子細胞質内に精子を注入し6時間後に固定して、これを免疫蛍光染色法により精子星状体形成率を確認したところ、妊孕性の確認されている精子によるコントロール群では69.6%(39/56)であったのに対し、ICSI反復不成功精子群では48.5%(16/33)に過ぎず、ICSI反復不成功精子において星状体形成率が有意に低率であった。また、同時に検討したウシ卵子活性化率に関しては、有意な差は認められなかった。 以上より、ICSI反復不成功例の精子では精子星状体機能不全の病態があることが示唆された。 そこで、上記患者精子の中心体機能発現および精子星状体機能を補助することを目的とし、十分なインフォームドコンセントの上で、ICSI後カルシウムイオノフォアによる活性化処理を施した。卵子はICSI、活性化処理の後、4細胞期胚まで発生した。 ウシ卵子の単為発生の検討において、カルシウムイオノフォアを用いた活性化処理により、卵細胞質より微小管形成中心が現れ核の移動に関与していたことから、精子星状体と相補的に卵子側の星状体が機能していることが考えられ、精子星状体発現率が有意に低い結果を示す精子のICSIにカルシウムイオノフォアによる活性化を併用することで、精子中心体の機能を補完する可能性を示すものである。
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