2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591888
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 節 Shiga University of Medical Science, 医学部, 教授 (20240666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 伸幸 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (20273419)
清水 良彦 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50422887)
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Keywords | IMSI / 精子中心体機能 / 精子星状体 |
Research Abstract |
精子の形態を約6000倍という高倍率で観察して顕微授精に用いる精子を選別するIMSI(Intracytoplasmic morphologically selected sperm injection)と言う手法により受精率を向上しうる可能性が報告されている。ところでこれまでのIMSIでは、主に精子頭部の形態学的評価が先行してきたが、受精における精子中心体機能の役割が重要であることから、精子中心体の存在する精子中片部に着目して精子の選別を行った。その結果、IMSIによる精子中片部の形態評価により、精子中片部形態がストレートな群で精子星状体形成率が高い、すなわち精子中心体機能良好な精子と判定することが可能であった。さらに中片部の超微細構造を透過型電子顕微鏡を用いて検討した。まず、1000倍という超高倍率に加え、微分干渉像で精子中片部形態を観察し、精子中片部形態がストレートな群(精子星状体形成率高率群)とテーパーな群(精子星状体形成低率群)2群について分類し、観察に供した。精子中片部がストレートな群では、中片部には中心体構造と、尾部に向けてミトコンドリアが1重に整列する様子が観察された。一方、精子中片部がテーパーな群では、中心体構造の周辺のミトコンドリアの配列が、2重に乱れている構造や、ミトコンドリア配列に空胞が観察された。テーパーな群では、頸部から中片部へかけての細胞質の残留のみならず、これらのミトコンドリアの整列の乱れや、中片部の空胞構造が、中片部形態の異形を引き起こし、精子中心体機能の発現を障害している可能性が考えられた。
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