2008 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロール硫酸による着床期子宮内膜の遺伝子発現調節機構
Project/Area Number |
19591891
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
百枝 幹雄 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 講師 (50221627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣井 久彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (10343138)
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Keywords | 子宮内膜 / コレステロール硫酸 / 遺伝子発現 / RORα / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究においては着床期子宮内膜において発現するコレステロール硫酸(cholesterol sulfate;CS)の遺伝子発現調節機能に焦点をしぼって検討する。特に近年、CSが核内受容体(retinoic acid-related orphan receptor;ROR)のひとつであるRORαのリガンドであることが報告されたことから、平成19年度には、RORαの下流遺伝子であるRev-6rbαの遺伝子発現に封するCSの影響を検討した。その結果、CSの添加にょり子宮内膜間質細胞ではRec-erbαの発現が促進された。また、分子間結合を解析するBIACORによりCSとRORαの分子間結合が確認された。ただし、RORαのリガンド結合領域を削除した変異遺伝子導入によってもRev-erbαの遺伝子発現が促進されること、CSの添加によってRORαの発現も促進されることなどから、CSによるRev-erbαの遺伝子の発現促進は、CSがリガンドとしてというよりむしろ転写因子であるRORαの発現を促進することによる作用であることが示唆された。そこで、20年度にはRORα応答遺伝子の別の候補であるSULF1の遺伝子発現について検討し、CSがその発現を促進し、wnt/βカテニン経路を介してβカテニンの核内への集積を誘導することを明らかにした。また、CSは子宮内膜問質細胞のアポトーシスを誘導し、この誘導はSULF1を介する作用である可能性が示唆された。
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