2007 Fiscal Year Annual Research Report
体外受精の着床率向上に向けた卵子機能マーカーの確立を目指して
Project/Area Number |
19591892
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
折坂 誠 University of Fukui, 医学部, 助教 (80324143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 公久 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60303377)
福田 真 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (40397279)
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Keywords | 体外受精 / 卵胞発育 / 卵胞閉鎖 / 卵子 / GDF-9 / アンドロゲン / アポトーシス |
Research Abstract |
【研究の目的】体外受精における移植胚の着床率向上に向けて、良質な卵子を正確に評価し得る生化学的マーカーの確立を目的に、本研究を立案した。当該研究者らは「卵子が、paracrine調節機構を介して卵胞細胞のアポトーシスを調節することにより、卵胞そして卵子自らの運命(発育・排卵あるいは閉鎖)を決定するのではないか」と仮説し、その検証を進めている。本研究では、卵子に特異的に発現する成長因子であるgrowth differentiation factor-9(GDF-9)が、卵胞の発育や閉鎖を調節するか否か、さらにはその細胞内メカニズムを、卵子局所での遺伝子ノックダウン・システムと卵胞培養系を組み合わせたin vitro実験系を用いて検討中である。 【現在までの研究の成果】卵子局所におけるGDF-9の遺伝子発現をノックダウンすると、(1)卵胞発育が抑制されること、(2)卵胞によるアンドロゲンおよびエストロゲン産生が抑制されること、(3)卵胞細胞のアポトーシスが誘導されること、が明らかになった。これらの事実は、卵子局所におけるGDF-9発現量の多寡が、卵胞におけるステロイド産生やアポトーシスを介して、卵胞発育を調節している可能性を示唆する。次年度はその細胞内メカニズムについて詳細に検討するとともに、GDF-9が良好卵マーカーの候補になり得るか検証する予定である。
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