2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン受容体EP4を介した子宮頸管熟化制御機構の検討
Project/Area Number |
19591893
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉村 基 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部附属病院, 准教授 (30273189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
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Keywords | 子宮頸管熟化 / プロスタグランジン受容体EP4 / 早産 |
Research Abstract |
子宮頸管熟化現象は分娩の中心をなす生理的炎症と捉えることができるきわめて興味深い現象である。EP4の発現が十分でない非妊家兎子宮頚管においてPGE2サブタイプ受容体EP4に対する選択的合成刺激物質により頸管が熟化されることから,EP4に対する刺激自身によるautocrine/paracrineとしての促進機序,またPG受容体間の相互情報伝達の機序などが推定される。EP4を介した子宮頚管熟化の制御機構の検討を目的とした。子宮頸管熟化に関しLPS膣坐剤の局所投与による非妊娠家兎子宮頸管熟化モデルを用いた。LPS(lng含有)膣坐剤を作成,19週齢の非妊娠家兎にLPS膣坐剤を3日連続投与の後屠殺し,子宮頚管部を摘出し検討。a)LPS膣坐剤投与がEP4受容体を誘導することを抗EP4受容体抗体を用いて子宮頚管部凍結切片を用い免疫組織学的にその局在発現を検討。b)各種濃度(64μg,6.4μg,0.64μg)のEP4受容体阻害剤含有膣坐剤をLPS膣坐剤投与第1日目に投与しその作用を各群で以下のごとく検討。1)摘出子宮頚管部を垂直に牽引(5.8g)し伸長度を測定。2)HE染色標本を作製,任意の3視野(10倍拡大)について浮腫化した領域の面積を顕微鏡下で測定。3)超音波破砕し遠心,上清をFITC蛍光標識したI型コラーゲンに添加,分解されたI型コラゲナーゼの蛍光強度によりI型コラゲナーゼ活性を測定する。コラーゲン含有量,含水量,エラスターゼ活性,好中球浸潤を検討。LPS投与子宮頸管は免疫組織学的にEP4受容体の局在を示した。EP4受容体阻害剤含有膣坐剤投与群ではLPS単独投与群と比較して子宮頸管部伸長度,子宮頸管部浮腫度,I型コラゲナーゼ活性が濃度依存性に有意に抑制された。以上より,LPSはEP4受容体を介して子宮頸管熟化に関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)