2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン受容体EP4を介した子宮頸管熟化制御機構の検討
Project/Area Number |
19591893
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
杉村 基 Juntendo University, 医学部, 准教授 (30273189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
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Keywords | 子宮頸管熟化 / プロスタグランジン (PG) E2 / PGE2受容体EP4 |
Research Abstract |
[目的]子宮頸管熟化現象は分娩の中心をなす生理的炎症と捉えることができる興味深い現象である。頸管熟化の最初の過程には胎児因子、胎盤因子、羊水因子、物理的刺激因子など複数の頸管熟化の誘引となる因子が関与することが考えられている。 PGE2サブタイプ受容体EP4の発現が十分でない非妊家兎子宮頚管においてEP4に対する選択的合成刺激物質により頸管が熟化されることから、 EP4に対する刺激自身によるautocrine/paracrineとしての促進機序、またPG受容体間の相互情報伝達の機序などが推定されるが明確でない。そこで本研究では分娩過程における劇的現象のひとつである子宮頚管熟化について、1) EP4を介した子宮頚管熟化の制御機構の検討、2)子宮頸管部におけるEP4発現の制御機構の解明を目的として検討を行った。[方法]ヒト子宮頸管よりヒト線維芽細胞を既に確立した方法で分離培養し以下の検討した。1)プロゲステロン、 TNFα、 IL-1β、 IL-6の各種濃度下で培養し、 EP4mRNA発現がNorthern blot analysisにより濃度依存性に発現が増加するか検討した。2)EP4受容体阻害剤の各種濃度存在下でヒト線維芽細胞への作用を検討した。 a)EP4受容体刺激剤を各種濃度投与し、濃度依存性にPGE2産生量が増加するか検討した。 b)EP4受容体阻害剤の各種濃度存在下でEP4受容体刺激剤によるPGE2産生量が濃度依存性に抑制されるか検討した。[成果]1)プロゲステロン、 TNFα、 IL-1β、 IL-6存在下、 EP4mRNA発現が濃度存性に増加した。2)EP4受容体刺激剤存在下、濃度依存性にPGE2産生量が増加した。以上より炎症性サイトカインがEP4受容体発現を促進し、産生増加したPGE2が子宮頸管熟化を促進するautocrine/paracrine機序の存在が示唆された。
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