2007 Fiscal Year Annual Research Report
胎内サイトメガロウイルス感染症のハイリスク群抽出法と児の予後に関する研究
Project/Area Number |
19591899
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
金子 政時 University of Miyazaki, 医学部, 准教授 (40264387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 由紀 宮崎大学, 医学部, 助教 (30305081)
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Keywords | 胎内サイトメガロウイルス感染症 / 抗原血症 / Avidity Index / CMV IgM抗体指数 / 神経学的後遺症 |
Research Abstract |
抗原血症は、臓器移植の分野では臨床症状に先行して陽性となることから、臓器移植患者においてサイトメガロウイルス(CMV)感染症に対する治療開始の基準となっている。このことは、臓器移植の成功率をあげることにも繋がった。一方、胎内CMV感染においては、胎児・新生児では抗原血症は陽性となりにくく、診断検査法としての意義は少ないといわれている。本年度、我々は胎内CMV感染児における抗原血症の意義を明らかにした。すなわち感染児15名のうち、6名が抗原血症陽性で9名が陰性であった。抗原血症と感染児の臨床所見(胎児心拍数モニタリング・CMV網膜炎・CMV肺炎・神経学的後遺症・子宮内胎児発育遅延・上衣下嚢胞・点状出血斑・肝腫大・血小板減少・肝機能障害)との関係を検討した。その結果、CMV網膜炎、CMV肺炎、胎児心拍数モニタリング、神経学的後遺症との間に有意な相関関係があった。特にCMV網膜炎とCMV肺炎において顕著であった。このことは、抗原血症は胎内感染児において出生時のCMVの活動性と関連があることを示唆するものである。すなわち、抗原血症は、新生児治療を開始するための指標となりうる検査であることを示した。 また、宮崎県地域フィールドを利用して妊婦に対してCMVIgG抗体、CMVIgM抗体測定を行った。現在のところ368人の妊婦に協力を得ている。CMVIgG抗体陽性率は86%、CMVIgM抗体陽性率は4%である。1人の妊婦に胎内感染が成立しており、この妊婦の妊娠21週でのCMVIgG 24.3, IgM 6.98, avidity index 29.3%である。妊娠22週に羊水穿刺を施行し、羊水中のCMV量は1×10^8 copy/mlであった。現在も引続き宮崎県地域フィールドを利用した検討を行っている。
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Research Products
(5 results)