2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎児脳機能リズム形成と神経学的発達との関連について
Project/Area Number |
19591900
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
池ノ上 克 University of Miyazaki, 医学部, 教授 (60232211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 浩 宮崎大学, 医学部, 准教授 (50274775)
川越 靖之 宮崎大学, 医学部, 講師 (70336311)
立元 真 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (50279965)
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Keywords | 子宮内発育遅延 / 胎児リズム形成 / 胎児心拍数モニタリング / active-quiet cycle |
Research Abstract |
不登校や切れやすい子など児の社会的不適合が問題となっているが、脳の機能的なリズム異常がその背景にあるとの報告がある。胎児期の脳発達を反映する胎児のリズム形成を観察することによって、胎内ストレスを受けたと思われる児の脳発機能を観察した。 インフォームド コンセントの得られた妊婦75例に分娩監視装置を装着し、胎児心拍数パターンを少なくとも90分間以上にわたって連続的に観察した。胎児心拍数パターン上のaccelerationとvariabilityの有無から判別できるactive sleepとquiet sleepが明らかとなった時点を胎児のリズム形成ができた時とした。 また、児が3歳になった時点で心理発達検査として、 K-ABC田中ビネー知能検査、 KID乳幼児発達スケール検査を行った。 これまで、妊娠中に異常を認めないローリスク妊娠群51例と、子宮内環境が悪化し子宮内胎児発育遅延(IUGR)に陥ったと思われる群24例の2群について、比較検討を行っている。心理発達検査は現在3名が終了している。 現在までの集計では、ローリスク妊娠群(n=51例)では妊娠33±1週でそのリズムが形成されたのに対し、 IUGR群(n=24例)ではリズム形成が妊娠35±1週と有意(p<0.001)に遅れていた。しかし、両群間に臍帯動脈血pH, Apgar scoreに差は認められず、児の短期予後も良好であった。3歳時に評価のできたローリスク2例とIUGR1例については明らかな心理発達学的な異常は指摘できなかった。 今後も引き続き症例の観察と蓄積を行い、母体の生活リズムや生活パターンを第一次評価項目として多因子分析を行う予定である。
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