2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト精子核酸-蛋白復合体の不均一性が受精、胚発生に及ぼす影響
Project/Area Number |
19591901
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
片寄 治男 International University of Health and Welfare, 大学病院, 准教授 (90281237)
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Keywords | 生殖 / 精子 / 核酸 / 蛋白 / 受精 / DNA断片化 |
Research Abstract |
1.FCMパラメータと精子核DNA断片化の相関;ICSI実施症例のみ検討した。両者の間に相関は観察されなかった(n=44、r=0.224、p=0.080)。 2.体外胚発生とFCMパラメータの相関;胚盤胞形成率とCOMP値の間に受精卵5個以上培養では比較的強い正の相関を認めた(n=22、r=0.477、p=0.025)。 3.体外胚発生と精子核DNA断片化の相関;胚盤胞形成率とSCDパラメータの間に受精卵5個以上培養では強い負の相関が観察された(n=12,r=0.796,p<0.001)。 FCMパラメータは精子核成熟度を反映し、値が低いほど成熟性が高いことを示す。体外での胚発生はCOMP値が高いほど良好であった。これは精子核蛋白内S-S結合の多寡がICSI後の胚発生に影響することを示唆した。精子核DNA断片化は胚発生を有意に阻害した。これは既報と一致した。以上の結果から精子核DNA断片化が胚発生を規定する重要な因子であること、精子核蛋白構造異常の他にDNA断片化を誘発する要因が存在することが指摘された。
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