2007 Fiscal Year Annual Research Report
胚盤胞期胚での筋強直性ジストロフィーに対する着床前診断に関する研究
Project/Area Number |
19591902
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐藤 剛 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 助教 (80326149)
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Keywords | 筋硬直性ジストロフィー / 着床前診断 / 胚盤胞 / 胚生検 / PCR |
Research Abstract |
初めに、単一細胞からのPCRによるDNAの増幅の可否、解析率について、単核球、ヒト割球を用いて検討した。筋強直性ジストロフィーの責任領域である19番染色体上のDMPKの3'側非翻訳領域にあるCTGリピート領域をnested PCRにより増幅し、得られたPCR productのfragment解析を行った。その結果、単核球では、80細胞中62細胞(77.5%)で、また割球では23胚から得られた39細胞中33細胞(84.6%)で目的とする領域のDNAの増幅が認められた。単核球での結果のうち6検体(9.7%)の結果はallele drop outと考えられた。これらの増幅率より、同様のPCR protocolを用いてその後の実験を行うこととした。 当施設での体外受精・胚移植治療により得られた受精卵のうち、胚の質が悪く移植に適さないものや、治療周期に妊娠が成立したため廃棄の予定となる凍結余剰胚を夫婦の同意を得て検討対象とした。これら胚を市販の後期培養用の培養液を用いて桑実胚〜胚盤胞まで体外培養し、本研究に供した。マイクロマニピュレータおよびレーザー装置を使用して桑実胚〜胚盤胞に発育した受精卵より、内細胞塊を避け栄養膜細胞より5個程度の細胞を生検した。 生検に供した胚盤胞は6個で、その全てで生検を完遂でき、5個(83%)の胚盤胞は生検後も生存していた。採取した細胞数は顕微鏡下にそれぞれ3-6個と観察された。4個の胚盤胞から得られた細胞塊をPCRに供し、その全てでPCR productが得られ、1回のPCRに供する細胞を増加することにより解析率の上昇が期待できた。2個の胚盤胞から得られた細胞塊に対しピペッティングにて分離を試みたが、いくつかの細胞はその操作中に破壊された。今後、細胞を破壊することなく個々に分離する方法の検討も必要と考えられた。
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