2008 Fiscal Year Annual Research Report
胚盤胞期胚での筋強直性ジストロフィーに対する着床前診断に関する研究
Project/Area Number |
19591902
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐藤 剛 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 助教 (80326149)
|
Keywords | 筋強直性ジストロフィー / 着床前診断 / 胚盤胞 / 胚生検 / PCR |
Research Abstract |
平成19年度の研究より、着床前診断の対象となる胚を胚盤胞期まで培養後に胚生検することで、5個程の割球を診断に用いる事が可能となる事が示された。本年度は、異なるプライマーセットを用いた複数のPCRのプロトコールについて検討し、複数の割球それぞれに別めプロトヨールのPCRを施行することにより診断率め向上に繋がるか解析を行った。 4人の成人からのDNAを対象として、筋強直性ジストロフィー(DM1)の責任領域である19番染色体上のDMPKの3'側非翻訳領域にあるCTGリピート領域をnested PCRにより増幅し、得られたPCRproductのfragment解析を行った。4人の内2人はDM1罹患者で、4人それぞれのCTGリピートの繰り返し回数は既知である。 1^<st>PCRのプライマーの組み合せを以下のように設定した。 ・SetA F: DM102^<1)> R: DMPK-R^<2)> ・Set B F: DM102 R: DMIO1^1) ・Set C F: DM102 R: DMOR^2) 1^<st>PCRのそれぞれのPCR productに対し、以下のプライマーを用いて2nd PCRを施行した。 ・forward: DMPK-F^<2)> reverse:DMPK-R^<2)> 4人からのDNAは各PCRプロトコールにおいて8検体ずつ増幅し、DNA量として1ngおよび10pgで解析を行った。PCRの結果、1ngのDNAを用いた解析では、3種類のプロトコールとも、全ての検体でDNAの増幅が認められた。10pgでの解析では、DNAの増幅がみられたのは、Set Aでは100%、Set Bでは74.2%、Set Cでは45.2%であった。正診率は、SetB、Cで低い傾向がみられた。 1細胞レベル相当のDNA量(10pg)では、set B、set Cにおいて増幅率め低下がみられ、それぞれのプライマーセットにより検体毎に増幅率に差があった。着床前診断に際しては、胚の両親のDNAに対し複数のプロトコールで前もってPCRを行い、より正診率の高いプロトコールを実際の診断では用いる事が望ましい。また、複数のプロトコールの正診率が同等であれば、複数の割球に対し異なったプロトコールでPCRを行う事で診断率は向上すると期待される。 1): J. Brook et al. Cell68; 799-808, 1992 2): N. Deen et al. Mol Hum Reprod7; 895-951, 2001
|