2008 Fiscal Year Annual Research Report
BMPアンタゴニストを用いた癌間質相互作用の制御による癌治療戦略の検討
Project/Area Number |
19591918
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
首藤 聡子 Hokkaido University, 病院, 助教 (10399892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻木 範明 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70153963)
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Keywords | PRDC / BMP / 癌-間質相互作用 / 子宮体癌 / 子宮頸癌 / 卵巣がん |
Research Abstract |
癌の浸潤・転移といった癌特有の悪性形質の発現には、癌-間質相互作用が重要な役割を果たしており、癌細胞を取り巻く微小環境の分子機構について解析がすすめられている。われわれはBone morphogenetic protein(BMP)アンタゴニストであるPRDC(Protein related to DAN and cerberus)の腫瘍増殖促進効果を検証することを目的として本研究を行った。 平成19年度に施行したPRDC発現解析に対し、in situ hybridizationを行った。子宮体癌組織におけるPRDC発現の局在解析は現在も実験が進行中であり、近い将来、癌間質細胞におけるPRDC mRNAの産生が証明できると期待している。 婦人科腫瘍細胞株の細胞増殖に対するBMP関連タンパクの増殖抑制効果をMTTアッセイ、XTTアッセイなどを用いて検討したが、コントロールと比べ有意差を認めなかった。各種婦人科細胞株に対するsi-RNAを行ったが、細胞増殖に対する変化はコントロールに比べ認められなかった。そのため、in vitro cell migration assayは行わなかった。リコンビナントPRDC添加により細胞増殖が促進される可能性が示唆されたが、コントロールに比べ有意差がなく、追加検討を施行中である。 子宮体癌の初代培養細胞に対するリコンビナントBMP4およびPRDCの細胞増殖に及ぼす効果であるが、症例数が少ないためか、細胞数・MTTアッセイにおいて一定の傾向を示さなかった。得られた組織のviabilityや子宮体癌の組織型・分化度により、傾向に差が生じる可能性があり、現在、症例数を蓄積して解析を継続中である。 われわれは今後もPRDCが新しい治療の分子標的となり、癌-問質相互作用制御による新しい治療戦略を構築しうるかどうかを継続して研究していく予定である。
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