2008 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌浸潤転移現象におけるホメオボックス遺伝子メチル化制御機構の解析
Project/Area Number |
19591919
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
山下 剛 Asahikawa Medical College, 医学部, 准教授 (30271787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 英人 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20359491)
西脇 邦彦 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90419218)
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Keywords | 卵巣癌 / HOX / DLX / 癌浸潤 |
Research Abstract |
(1) 子宮頚癌でのHOX異常発現の有無を検討しさらに、その遺伝子の異常発現そのものが癌の浸潤転移に関与するか、子宮癌細胞株にHOX遺伝子を導入してその浸潤に対する影響を検討した。さらに過剰発現の認められたHOX遺伝子のうちHOXC5について、アンチセンスを癌細胞に導入し、遺伝子の過剰発現を抑制することで癌細胞の浸潤能にどのような影響があるかを検討した。その結果HOX遺伝子39個の遺伝子中、7種類の遺伝子(HOXB9, C5, C6, C8, C10, C11, C13)に増幅が認められた。HOKC5, 6, 8およびC13においては正常子宮頚部組織で遺伝子の発現が認められなかった。HOXC5アンチセンス導入により、オリジナル細胞と比較しC5アンチセンス導入細胞では、8時間後よりその浸潤能の低下が観察され、16時間ないし24時間後におよそオリジナル細胞の60%程度までの浸潤能の低下を観察した。以上より、子宮頚癌においても、子宮体癌や卵巣癌同様にHOX遺伝子の癌浸潤能に対する直接的な影響が確認された。子宮体癌、卵巣癌同様過剰に発現しているHOX遺伝子を制御することで癌転移の制御が可能となる可能性が示された。(2)DLX1に卵巣癌組織特異的発現異常が認められるかどうか検討した。対照となる正常卵巣上皮(手術検体)ではDLXの発現は全く認められなかった。一方、SKOV3以外の細胞株ではそのすべてに発現か認められたが、SKOV3では発現が認められなかった。SKOV3は漿液性線が由来の細胞株であることから組織発現の違いとして、漿液性腺癌、粘液性腺癌、明細胞性腺癌、類内膜性腺癌のそれぞれの組織を複数個採取し、発現の有無を検討した。その結果、類内膜性腺癌由来組織、粘液性腺癌由来組織、明細胞腺癌由来組織で発現を認めた。細胞株での結果から推測されるように、漿液性腺癌でのDLXの発現は認められなかったことから、卵巣癌の組織型の違いとDLXの発現様式が深く関わっていることが推測された。
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Research Products
(1 results)