2008 Fiscal Year Annual Research Report
誘導型NO合成酵素の発現調節に関わるエストロゲン受容体αとβの相反する作用の解析
Project/Area Number |
19591922
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
堤 誠司 Yamagata University, 医学部, 助教 (50323168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊文 山形大学, 医学部, 講師 (20302292)
倉智 博久 山形大学, 医学部, 教授 (40153366)
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Keywords | エストロゲン / エストロゲン受容体 / 血管平滑筋細胞 / 誘導型NO合成酵素 / 転写因子 |
Research Abstract |
【目的】エストロゲン(E2)はエストロゲン受容体α(ERα)およびβ(ERβ)に結合し、転写因子として働くことにより組織特異的に遺伝子発現、細胞増殖・分化に関与している。今回我々は、ヒト血管平滑筋細胞(VSMC)においてE2による誘導型NO合成酵素(iNOS)遺伝子発現調節機序を解析した。 【方法】VSMCを用い、E2及びER拮抗薬であるICI 182,780を投与して以下の実験を行った。1) NO産生量の測定。2) 複数種のVSMCにおけるiNOS、ERα及びERβ遺伝子の発現をRT-PCRにて測定。3) iNOS promoter活性をluciferase assayにて測定。4) ERを有しないCOS-7細胞にERα或いはERβ遺伝子を導入して様々な長さのiNOS promoter活性を測定し、各ERの責任領域を検討した。 【成績】1) 大動脈VSMCではE2によりNO産生が抑制され、ICI182,780はその抑制を解除した。2) VSMCの種類によりERαとERβ遺伝子の発現が異なり、ERαが優位に発現していた大動脈VSMCはE2によりiNOS発現が抑制され、ERβが優位に発現していた橈骨動脈VSMCはE2によりiNOS発現が促進された。3) 完全長のiNOS promoter活性は大動脈VSMCでは抑制され、橈骨動脈VSMCでは促進された。4) ERβが導入されたCOS-7においてiNOS promoter活性が促進し、ERαとERβでは各々異なった領域で活性の亢進をみた。 【結論】iNOS promoter領域において、ERαとERβは各々異なる責任領域を有することが判明した。iNOS発現においてE2がERβを介してNO産生亢進に関与することが示唆された。
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