2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスの上皮性腫瘍発生モデルを用いた新たな癌治療戦略の開発
Project/Area Number |
19591927
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
中村 隆文 Kawasaki Medical School, 医学部, 教授 (20303969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 滋 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (30175351)
山本 博 富山大学, 生命科学先端研究センター, 准教授 (00108797)
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Keywords | SV40T抗原 / トランスジェニックマウス / 自然免疫 / マクロファージ / 十全大補湯 / 補中益気湯 / 小柴胡湯 / 水晶体腫瘍 |
Research Abstract |
【目的】SV40T抗原により発生した上皮性未分化腫瘍に対する漢方治療が癌発生・増殖進展・転移に影響するか検討する。さらに漢方薬による自然免疫賦活作用を検討する。 【方法】我々は水晶体上皮にSV40T抗原を特異的に発現するαT3マウスを作製した。十全大補湯、補中益気湯、小柴胡湯を用いて1.5%混飼を作製して各漢方薬をαT3マウスに長期間投与した場合のαT3マウス腫瘍の増殖進展や担癌マウスの寿命について検討した。自然免疫であるマクロファージの浸潤について組織学的に検討した。【成績】1)αT3マウスは多段階発癌を示し、胎生期より水晶体上皮細胞に異形成を生じ始め、出生時期から約2ヶ月で上皮内癌にまでになり、生後数ヶ月で周囲組織を破壊する浸潤癌となり脳に浸潤する。さらに進行すると頚部のリンパ節や肺に転移する。αT3マウスは時間的、空間的に極めて均一な未分化上皮性腫瘍を発生するモデルマウスであり、HPVが子宮頸癌を発症する経過と病理学的に酷似していた。2)αT3マウスに漢方3剤の各混飼を生後4週より死亡するまで持続投与すると漢方3剤とも各投与群ではαT3マウス腫瘍の増殖進展は抑制され、8~10週間の延命効果があった。【結論】漢方3剤ともに担癌マウスの延命効果が確認できた。これらの漢方3剤はそれぞれ異なった機構でマクロファージの抗腫瘍活性と腫瘍進展促進活性のバランスを微妙に調節して、担癌マウスに抗腫瘍効果を発揮している可能性がある。
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Research Products
(2 results)