2008 Fiscal Year Annual Research Report
浮遊卵巣癌細胞の転移能獲得に対するラミニン分子の役割-新たな分子治療開発に向けて
Project/Area Number |
19591928
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 好雄 University of Fukui, 医学部, 准教授 (60220688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 陽子 福井大学, 医学部, 助教 (40436845)
品川 明子 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (90444223)
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Keywords | 卵巣がん / 浮遊増殖細胞 / 分子治療開発 |
Research Abstract |
卵巣がんの細胞増殖に関し重要なラミニン分子と判明したAG73(RKRLQVQLSIRT)ラミニンー1ペプチドが、浮遊増殖性卵巣癌細胞(TAC3)と、どの程度接着するか否かを検討した結果、接着能は用量依存的、時間依存であり、ラミニンー1分子と同様であり、腹水細胞はspheroidという、細胞集塊を形成した。AG73分子はsyndecan-1という糖鎖で構成された接着分子の活性を上げることによりTAC3細胞の接着能を上昇させていた。一方ラミニン分子はインテグリンベター1を活性化して接着能をあげていることが判明した。どちらの接着分子もTAC3細胞内のsurvival pathwayであるAKT PI3K活性を上昇させてその増殖のさらには抗がん剤耐性能を獲得していることが判明した。興味深いことに、AG73 (RKRLQVQLSIRT)のscramble typeであるAG73TはAG73 integrin beta-1の活性を競合的に阻害して浮遊増殖細胞のspheroid形成能を阻害することが判明した。さらにspheroid形成能を阻害することにより、抗がん剤の感受性が上昇することが判明した。特に卵巣がんのkey drugであるcisplatinの感受性は2倍上昇することが判明した。このことはAG73Tは卵巣がんの腹水中の細胞の接着能を低下させ抗がん剤の効果を上げることが期待される。今後in vivoでの研究を継続したい。
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