2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体顕微鏡による癌微小血管の内皮特性とリポソーム薬剤送達システム構築の基礎的研究
Project/Area Number |
19591933
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
片山 富博 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 助教 (90304625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 昌春 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10136731)
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Keywords | 微小循環 / 血球動態 / 血小板動態 / 女性ホルモン |
Research Abstract |
癌組織内での血管特異性、特に血球と血管内皮の関係を検討すること、また、癌組織への各種薬剤の効果を微小循環学的手法を用いて観察することを目的としている。女性ホルモンと癌組織内の微小血管の関係を調べることを第一目標としているため、昨年度はコントロール群として女性ホルモンと癌組織以外の正常組織こおける血管内皮の関係について実験を行った。280〜320gのWistar系ラットをsodium pentobarbital(40mg/kg)にて麻酔した。腹部正中切開により回盲部を腹腔外に取り出しプラスチックの台に置き腸間膜微小循環を観察した。蛍光色素(CFSE)によって、ラット血小板生体染色を施行し、微小血管径・赤血球速度の変化、血小板動態および血栓形成を観察した。解析は、実験終了後ビデオをframe by frame解析し、赤血球の軸流速度、傍内支辺縁速度を求める一方、傍内支近傍平均赤血球速度に対する血小板相対速度(V_P/V_R)、血管内皮100μmあたりへの固着あるいは接着血小板数をパラメータとして比較・検討した。エストラジオール500mg/body投与により接着血小板が認められ、1g/body投与により細動脈・細静脈において血栓形成が認められた。赤血球動態と血管径に変化はなかった。プロゲステロン1μg/body、1mg/body、1g/bodyを同時に投与したが、血栓形成速度・血栓の容積に影響しなかった。エストロゲンにより細動脈・細静脈ともに血栓形成を認めた。プロゲステロンは血栓形成を促進も抑制もしなかった。
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