2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体顕微鏡による癌微小血管の内皮特性とリポソーム薬剤送達システム構築の基礎的研究
Project/Area Number |
19591933
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
片山 富博 Ehime University, 医学部附属病院, 講師 (90304625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 昌春 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10136731)
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Keywords | 微小循環 / 血管新生 / 子宮内膜症 / 血流動態 / 生体蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
ヒト悪性細胞を免疫不全マウスに移植し、その血管新生を作成し生体顕微鏡に観察する予定であった。しかし、免疫不全マウスにての生体顕微鏡を用いた観察は、感染などの問題により技術的に困難を極めた。そこで、まず、Wistar ratを用いた子宮内膜症モデルの血管新生を観察し、この技術を用いで癌微小循環観察に応用しようと考えた。子宮内膜症の発生に関して、月経時に剥離した子宮内膜組織片が卵管を逆流して骨盤腔に至り、腹膜や卵管に接着・着床することにより子宮内膜症が発症するという子宮内膜細胞の経卵管移植節が提唱されている。現在、腹膜中皮と子宮内膜細胞の接着因子、接着後の増殖因子に関する数多くの研究が精力的に行われている。今回、皮膚微小循環の観察が可能な背側皮膚透明窓(dorsal skin fold chamber: DSC)をラット背部に装着し、子宮内膜自家移植モデルを作成することにより、経時的に血管新生を起こす様子を観察した。移植直後は全く血管がなかった。移植後2日目にはやや太めの血管ができ始めてきた。さらに4日目には移植片を形どるようにさらに血管が増えてきた。7日目には移植片を覆うように細い血管が網の目のように覆った。血管新生が起こってくるareaをについて、移植後4日目には約67%のareaに血管新生が生じ、7日目には92%のareaが血管で覆われていた。血管密度も同様の所見であった。また、血管の発芽・進展などもみられた。今後、子宮内膜症に対する名種薬剤の効果・免疫不全動物を用いて病態形成検討を行う予定である。加えて、当初の目的であった、癌微小循環の観察並びに薬剤投与時の微小循環の変化を検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)