2007 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌におけるDNAミスマッチ修復異常・腫瘍免疫と抗癌剤・ホルモン剤感受性
Project/Area Number |
19591943
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
進 伸幸 Keio University, 医学部, 講師 (90206459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪埜 浩司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265875)
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Keywords | 子宮体癌 / マイクロサテライト不安定性 / 腫瘍免疫 / 抗癌剤感受性 / 黄体ホルモン |
Research Abstract |
進行子宮体癌症例の術後補助治療の個別化を図るため、組織診・細胞診検体を用いて、DNAミスマッチ修復遺伝子等のgenetic/epigeneticな変化を検索する腫瘍の個性診断を行い、抗癌剤・黄体ホルモンの感受性に関する情報が得られれば、オーダーメイド治療が可能となることが期待される。 そこで、H19年度は、MSIと体癌細胞の特性、特に黄体ホルモン感受性を規定する分子の検索を行うため、当科にて子宮体癌87例(0期相当とIa期相当G1腺癌)を対象として妊孕性温存療法として高用量黄体ホルモン療法を行った臨床データを基に、病変消失率、無再発生存率、再発に関与する危険因子の統計学的に解析した。病変消失率はG1腺癌で88.4%、異型増殖症で97.1%と好成績を示したが、再発率はそれぞれ50.0%、47.8%と高値であった。治療後再発に影響する因子について、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、DNAミスマッチ修復酵素蛋白発現も含めて検討したところ、単変量解析にて月経不正周期、多嚢胞性卵巣の他、近親2度以内のhereditarynon-polyposis colorectal cancer(HNPCC)関連腫瘍の家系内集積性(以下癌家族歴)、hMLH1蛋白発現減弱の4項目であり、progesteron受容体発現の有無は再発因子としての関与が認められなかった。多変量解析において癌家族歴(HR=3.428,P=0.003)とhMLH1蛋白発現減弱(HR=7.576,P=0.002)の2項目が高用量MPA療法後の再発に対する独立予後因子として抽出された。これらは、我々、また諸家によって報告されているマイクロサテライト不安定性に関与する因子であり、腫瘍免疫が黄体ホルモン感受性にも関与している可能性が臨床的データから初めて示唆された。
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Research Products
(21 results)