2007 Fiscal Year Annual Research Report
有毛細胞の音受容に関与するアクチン関連蛋白と遺伝性難聴DFNA20/26の研究
Project/Area Number |
19591953
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
香取 幸夫 Tohoku University, 病院, 講師 (20261620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 健一 東北大学, 病院, 助教 (10431579)
山内 大輔 東北大学, 病院, 助教 (70361102)
宮崎 浩充 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70431575)
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Keywords | 神経科学 / 細胞・組織 / 蛋白質 |
Research Abstract |
(1)細胞の剛性、細胞間の接着に関与する細胞骨格蛋白・アクチンに結合するアクチン関連蛋白のうち、Focal adhesion kinaseの蝸牛での局在を免疫組織化学法により初めて得た。加えて、アクチンを裏打ちとして細胞-細胞外基質を係留する膜貫通蛋白であるβ1-lntegrinが内耳蝸牛の血管条に発現することを明らかにした。これらの蛋白が有毛細胞を含む蝸牛の形態形成と保持に重要な役割を担っていることが示唆された。 (2)研究計画に従い英国キール大学のFurness博士のグループと連携し、蝸牛試料を界面活性剤で脱膜処理後に細胞質可溶性成分を除外して凍結割断する簡便な方法を考案し、従来に無い広い範囲での超微細構造の観察を可能とした。この方法により、モルモット内耳のアクチン分子の三次元的配列を、有毛細胞を含む広い範囲で電界放射型走査電子顕微鏡により観察し得た。この試料の中でさらに、聴覚に重要な有毛細胞の機械電気変換(mechanoelectrical transduction)に関与する不動毛間架橋構造を同定し得た。この観察手法は次の段階でFocal adhesion kinaseおよびβ1-Integrinの局在を電子顕微鏡レベルの免疫組織化学で詳細に検討するために重要な基礎となると考えられる。
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