2007 Fiscal Year Annual Research Report
耳石欠損マウスを用いたAt2b2遺伝子と加齢性平衡障害の解明
Project/Area Number |
19591960
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野口 佳裕 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 講師 (50282752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 慶之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10376759)
伊藤 卓 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (40401400)
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Keywords | Atp2b2 / PMCA2 / 聴覚障害 / 平衡障害 / マウスモデル |
Research Abstract |
Wriggle Mouse Sagami(Wri)は、Atp2b2を原因遺伝子とする難聴・平衡障害マウスである。本年度の研究成果として、本マウスの聴覚機能と平衡障害を経時的に検討した。ホモ接合体(BALB-Atp2b2^<wri/wri>)の聴覚障害を聴性脳幹反応と歪成分耳音響放射にて評価すると、内耳が成熟する生後3週の段階ですでに高度難聴を示した。一方、ヘテロ接合体(BALB-Atp2b2^<wri/+>)は、生後3週の段階で60-70dB程度の難聴を認め、12週までに高度難聴となった。一方、平衡障害を形態学的に評価すると、ホモ接合体(BALB-Atp2b2^<wri/wri>)は、生後4週の時点で球形嚢の耳石が欠損し、有毛細胞の変性・消失を認めた。しかし、卵形嚢および三半規管には、明らかな異常を認めなかった。今後は、ヘテロ接合体(BALB-Atp2b2^<wri/+>)における経時的な末梢平衡器官の形態的変化を、光学顕微鏡、電子顕微鏡により評価し、前庭有毛細胞の変性が遺伝子変異に伴う一次的なものであるか、耳石欠損に伴う二次的なものかを検討する。これにより、前庭有毛細胞の維持における耳石の役割が明らかになる可能性が高い。なお、Wriホモ接合体、ヘテロ接合体、野生型の末梢平衡器官からmRNAを抽出し、今後の研究用に-4℃で保存中である。
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