2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591965
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 信三 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (90163526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 滋 京都大学, 医学研究科, 講師 (10303827)
金丸 眞一 京都大学, 医学研究科, 助教 (30324643)
安里 亮 京都大学, 医学研究科, 助教 (70283603)
田村 芳寛 京都大学, 医学研究科, 助教 (40397550)
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Keywords | 喉頭機能温存手術 / 喉頭癌 / 下咽頭癌 / 再生医療 / コラーゲンコーティングメッシュ / 術前シミュレーション・システム / 自己組織再生型人工材料 / 音声機能 |
Research Abstract |
コラーゲンコーティングメッシュは喉頭・気管軟骨の再建に利用できる自己組織再生型人工材料であり、動物実験や人の気管軟骨再建で有用性が示されている。本研究は、喉頭癌や下咽頭癌の機能温存手術において、これまで再建が難しかった喉頭軟骨の再建にコラーゲンコーティングメッシュを用いる試みであり、再生医療の臨床応用例である。本材料は予めメッシュの大きさやコラーゲンの厚さを決めて作成して使うので、切除と再建の術前シミュレーションが必要である。我々は、喉頭や下咽頭癌の症例について術前の内視鏡画像とMD-CT・MRI・PET画像より癌の進展範囲をパソコン上で三次元的に示し、複数の医師の検討により必要十分な切除手術と最適な再建方法を術前にシミュレートするシステムを構築した。このシミュレーションに基づいて、適切なコラーゲンコーティングメッシュを手術前に作成し、喉頭機能温存手術時の喉頭・気管軟骨の再建に利用した。平成19年度は主として術前シミュレーション・システムの構築に関する予備的実験や実症例での検証、術後の機能検査機器の配備を行ったため、これまでにコラーゲンコーティングメッシュによる再建に至った例は2例のみであった。1例は喉頭癌、1例は甲状腺癌喉頭浸潤例であり、両者ともコラーゲンコーティングメッシュは良好に生着し、術後の音声機能、嚥下機能、呼吸機能はいずれも比較的良好であった。今後は、更に、症例を増やし術後機能を検討するとともに、長期的に局所再発の有無を厳重に観察する予定である。
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Research Products
(1 results)