2007 Fiscal Year Annual Research Report
小児人工内耳症例における中枢聴覚系の他覚的機能評価法の確立
Project/Area Number |
19591967
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大崎 康宏 Osaka University, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30437321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 武 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30107031)
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Keywords | 人工内耳 / NIRS(近赤外分光法) / 難聴 / 小児 / 大脳聴覚野 / 発達 |
Research Abstract |
先天的及び後天的に両側聾となった小児に対して人工内耳埋め込み術が行われており、当院においても多数の手術を施行中である。人工内耳は手術手技だけでなく、刺激強度の調節をはじめとした術後のフォローアップが非常に重要であり、長期的な聴取成績を大きく左右する要因となる。近年、人工内耳手術の施行が早期化してきており、人工内耳の調節時に実際に音が聞こえているかの評価が難しいことから、客観的な聴覚検査法の確立が求められていた。今回我々は、最終的に音を認知する大脳聴覚野の活動をNIRS(近赤外分光法)を用いて検査することで、客観的な聴覚検査法を確立すると共に、人工内耳手術後に起こる聴覚野の発達を解析することを目的とした。 平成19年度においては、過去の文献などを参考にして検査プロトコールを作成し、倫理委員会の承認を得た(承認番号:07170)。特に重要となる提示音声に関しては、"NTTデータベースシリーズ日本語の語彙特性"に収録されている音声を元に、日常的によく使う単語とそうでない単語とを組み合わせて作成することで、再現性を容易にした。なお、同様の手法は我々の他の研究でも用いたことがある。現在、当院にて人工内耳を行ったおよびこれから行う小児例に対し検査の説明を行いつつあり、これらの症例からインフォームドコンセントが得られ次第、NIRS測定を開始する予定である。
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