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2007 Fiscal Year Annual Research Report

マクロファージ遊走阻止因子による滲出性中耳炎に対する新たな治療戦略の確立

Research Project

Project/Area Number 19591970
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

假谷 伸  Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10274226)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岡野 光博  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60304359)
Keywords滲出性中耳炎 / サイトカイン / マクロファージ游走阻止因子 / ヘリコバクター・ピロリ菌 / Macropharge Inflammatory Protein-2
Research Abstract

滲出性中耳炎症例の中耳貯留液中のマクロファージ遊走阻止因子(MIF)濃度をELISA法にて測定したところ、90%以上の症例からMIFが検出され、漿液性貯留液の症例に比べて粘液性貯留液の症例においてより高い濃度で認められた。
滲出性中耳炎におけるMIFの役割を明らかにすることを目的にマウスの中耳骨胞内にMIFを注入した後に中耳骨胞を生理食塩水で洗浄し、回収された洗浄液中のMacropharge Inflammatory Protein-2(MIP-2)の濃度をELISA法にて測定した。その結果、MIFの注入後、24時間、48時間後に回収された中耳洗浄液中のMIP-2の濃度は対照群に比べて有意に高いという結果が得られた。
MIP-2は強力な好中球誘導因子であり、滲出性中耳炎患者における中耳粘膜や中耳貯留液中にMIFの発現と好中球の浸潤が認められることからMIFはMIP-2の誘導を介して滲出性中耳炎の好中球浸潤に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
ヘリコバクター・ピロリ菌は胃潰瘍や胃癌などの消化管疾患において重要な病原体であることが報告されている。その一方で、呼吸器疾患や自己免疫疾患などでもヘリコバクター・ピロリ菌が病態形成に関与していることが推察されており、滲出性中耳炎症例においても中耳貯留液中からヘリコバクター・ピロリ菌が一部の症例で検出されることが報告されている。エンドトキシンを含むヘリコバクター・ピロリ菌の菌体破砕抽出液をマウスの中耳骨胞に注入し、中耳洗浄液中のMIF、 MIP-2、 Interleukin-1β、 Tumor necrosnecrosis factor-α濃度を測定したところ、生理食塩水を注入した対照群に比べて有意に高い濃度で各サイトカインやケモカインが検出された。これらの結果からヘリコバクター・ピロリ菌陽性の滲出性中耳炎症例の病態形成においてMIFがMIP-2の誘導を介して一定の役割を果たしている可能性が示唆された。

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Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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