2007 Fiscal Year Annual Research Report
徐放化神経栄養因子を用いた顔面病的共同運動の治療法開発
Project/Area Number |
19591976
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
羽藤 直人 Ehime University, 医学部附属病院, 講師 (60284410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宏尚 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90403807)
脇坂 浩之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30304611)
菰渕 勇人 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (70423457)
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Keywords | 病的共同運動 / 顔面神経麻痺 / 後遺症 / 徐放化神経栄養因子 / 圧迫 / 神経過誤支配 |
Research Abstract |
病的共同運動とは一つの筋群の随意運動に伴って他の筋群が不随意に動く症状であり、顔面神経麻痺の後遺症の中でも高頻度である。ひとたび発症すると治癒は困難であり、患者は生涯その虚状に悩まされる。病的共同運動の病態については従来より様々な研究が行われてきたが、その多くは側頭骨外神径の切断・吻合によるものであり、臨床的に頻度の高い側頭骨内麻痺に即したモデルとは言い難い。本研究は、臨床例に近い再現性のある病的共同運動モデルを作成し、そのモデルを用いて病的共同運動の発現機序を明らかにすることを目的とした。実験には8〜10週齢のハートレイ系雌モルモットを用い、顔面神経麻痺はマイクロ持針器を用い神経を圧迫することで発症させた。結果、側頭骨内顔面神経を10分圧迫することで、100%の確率で病的共同運動を発症するモデル動物の作成が可能であった。このモデル動物は、これまでの神経切断による共同運動出現モデルより、臨床例に病態が類以していた。また、病的共同運動の発現しなかった側頭骨外圧迫群では神経支配は認められなかったが、このモデルの神経過誤支配率は45.3%であったため、本モデルの病的共同運動発症機序は神経過誤支配であると考えられた。結果、側頭骨内顔面神経を10分圧迫することで、100%の確率で病的共同運動を発症するモデル動物の作成が可能であった。このモデル動物は、これまでの神経切断による共同運動出現モデルより、臨床例に病態が類似していた。また、病的共同運動の発現しなかった側頭骨外圧迫群では神経過誤支配は認められなかったが、このモデルの神経過誤支配率は45.3%であったため、本モデルの病的共同運動発症機序は神径過誤支配であると考えられた。
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