2008 Fiscal Year Annual Research Report
ティッシュエンジニアリングによる気管再生誘導技術の開発
Project/Area Number |
19591983
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
渡邉 睦 Fukushima Medical University, 医学部, 博士研究員 (90305376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 靖宏 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70363760)
野本 幸男 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70508811)
竹澤 俊明 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換え家畜研究センター, 主任研究員 (50301297)
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Keywords | 再生 / 気管 / 気管上皮 / 線維芽細胞 / ビトリゲル |
Research Abstract |
我々の研究グループは、すでに臨床応用されている自己再生型人工気管の再建後の人工気管内腔面の上皮化促進を目的に基礎研究をおこなってきた。 細胞成分を付加する研究として、ラット気管由来線維芽細胞を組み合わせたハイブリット人工気管モデルを作製し、これをラットの気管欠損部へ移植し、移植後の経時的変化の組織学的評価をおこなった。コントロールとして線維芽細胞を含まないモデルを作製し比較したところ、気管上皮の分化・増殖に関しては観察期間を通じて線維芽細胞含有モデルの方がコントロールよりも有意差をもって早いことが示された。さらに、より大きな気管欠損部での評価を目的に、ウサギをモデルに同様の研究を行った。ウサギでの気管欠損部の大きさはラットの気管欠損部に比べ約10倍の面積とした。免疫組織学的評価、SEMでの線毛の評価などから、ラットと同様に気管上皮の分化・増殖に関しては観察期間を通じて線維芽細胞含有モデルの方がコントロールよりも早いことが示された。ウサギを使った大きな気管欠損モデルにおいても、気管再建後の人工気管内腔面の上皮化に対し線維芽細胞が有する促進的な効果が示唆された。気管の再生においても細胞成分の導入を積極的に行う根拠として意義があると考えられる。 人工気管そのものへの工夫として、人工気管内腔面にコラーゲン薄膜であるビトリゲルを付加する研究をおこなった。人工気管に用いられているコラーゲンスポンジ表面にビトリゲル薄膜を形成させることに成功した。表面の構造を観察したところ、本来多孔性のコラーゲンスポンジ表面に平滑な面を形成していた。この材料をラット気管欠損モデルの気管再建に用いたところ、上皮化促進を示唆する結果が得られた。
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Research Products
(10 results)