2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウィルス性顔面神経麻痺の病態解明と新たな治療法の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19591984
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
村上 信五 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (80157750)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱島 有喜 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30343403)
中島 捷久 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40012778)
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00305525)
|
Keywords | 顔面神経麻痺 / 単純ヘルペスウィルスI型 / 糖尿病 / 再活性化 / HSVベクター / 肝細胞増殖因子 |
Research Abstract |
1.糖尿病状態における単純ヘルペスウイルス1型(以下HSV-1)の再活性化について 4週齢でマウスの耳介にHSV-1KOS株を接種し、顔面神経麻痺を発症させた、治癒したマウスが7週齢で腹腔内にストレプトゾトシンを投与し、糖尿病状態にした。糖尿病状態のマウスは1年観察しても顔面神経麻痺を自然発症することはなかったが耳介を擦過してHSV-1の再活性化を誘導することにより、顔面神経麻痺を発症した。マウスや、脳炎様症状となり死亡するマウスがみられた。糖尿病マウスの免疫能につき検討したところ、糖尿病マウスはCD3陽性T細胞が30%程度、有意に低下した。CD4もしくはCD8陽性細胞の比率は現在検討中である。筋電図では、顔面神経再発マウスは再発しなかったマウスに比して40%程度の有意な振幅の減少がみられた。同週令の糖尿病非誘導と糖尿病誘導のマウスを比べたところ、有意な振幅の低下は認められなかった。 2.単純ヘルペスウイルス(HSV-1)の神経障害性に関する検討 HSV-1はKOS株とF株をBulb/cとC57BK/6マウスの耳介に接種し、顔面神経麻痺を発症させた。F株では濃度依存性に死亡率があがったが、一過性の顔面神経麻痺は観察できなかった。 3.神経栄養因子を遺伝子導入したHSV-1による神経再生効果の検討 非増殖HSVベクターに肝細胞増殖因子(HGF)を導入したHSV-HGFベクターを作成した。治療効果は今後検討予定である。
|
Research Products
(4 results)