2008 Fiscal Year Annual Research Report
嗅上皮由来組織幹細胞を用いた嗅覚障害治療の開発における基礎的研究
Project/Area Number |
19591986
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
濱島 有喜 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 助教 (30343403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00305525)
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Keywords | 嗅覚障害 / 組織幹細胞 / 嗅上皮細胞 |
Research Abstract |
妊娠マウスをケタミン、キシラジンにて麻酔後、胎児を取りだし、イソジンにて消毒後、断頭して脳組織を取り除き、嗅裂を含むように鼻粘膜を取り出した。ペニシリン・ストレプトマイシンを含んだ生理食塩水にて組織を洗浄後、0.25%トリプシンにて組織を37℃にて15分間留置し、細胞を分離させ、ナイロンメッシュにて骨などの不要組織を除去し、回収した細胞に成長因子を加えた培養液で継代した。ディッシュに付着する細胞と浮遊する細胞を分離し、浮遊細胞を継代した。浮遊細胞は球状なneuro-sphereを形成し、12ヶ月以上継代することが出来た。マウス骨髄からも同様にsphereを形成する培養細胞が分離できたが、2ヶ月程すると、細胞はアポトーシスを起こし、消失していったのに対し、鼻粘膜由来の細胞は15ヶ月継代することができた。これらの細胞からRNAを抽出し、RT-PCRにて神経系マーカーの発現をみると、Musashi1、Nestin、などの神経幹細胞を示唆する遺伝子の発現を認めた。内耳組織幹細胞セルラインを、sonic hedgehog, EGF, retinoic acid, BDNF (SERB)と共に培養すると、細胞分化が誘導され、Brn3.1、Math1、Myosin7aなどの有毛細胞マーカーが発現することが確認された。鼻粘膜由来の組織幹細胞でも、同様に共培養し、OMP (olfactory malor protein)などの遺伝子が発現するか検討する。またこの細胞をBrdUにて標識後、正常マウスと嗅覚障害モデルマウスの鼻粘膜に注射し、OMPの発現が生じるか検討したい。
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