2008 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部扁平上皮癌におけるプロスタグランジン代謝及びその受容体と臨床的意義
Project/Area Number |
19591996
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
河田 了 Osaka Medical College, 医学部, 准教授 (40224787)
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Keywords | シクロキシゲナーゼ / プロスタグランジン / プロスタグランジン合成酵素 / 頭頸部扁平上皮癌 / リンパ節転移 / 組織学的分化度 |
Research Abstract |
ヒト頭頸部扁平上皮組織を用いて、アラキドン酸のシクロシキゲナーゼ(COX)系の代謝について検討した。免疫組織学的検討では、COX-2は正常組織あるいはdysplasiaと比較して癌組織に強い発現が認められた。癌組織のなかでは、間質の細胞ではなく癌細胞そのものに強い発現を認めた。それに対してCOX-1の発現も見られたが特徴的な分布を認めなかった。さらにCOXの下流酵素であるプロスタグランジン合成酵素(mPGES)について検討を行ったところ、mPGESに強い発現が認められた。しかもその分布はCOX-2と類似、すなわち癌細胞、特にその核周囲に強い発現を認め、頭頸部扁平上皮組織ではCOX-2とPGESの連関が示唆された。それらと臨床データを比較検討したが、TNM分類のうちいずれの要素に関しても有意な差が見られなかったが、分化度の違いでは高分化癌の方がCOXおよびmPGESの発現が強い傾向にあった。RT-PCRによる検討では、TNM分類やリンパ節転移の有無で、COX-2とPGESの発現に差は無かったが、分化度について高分化癌でPGESの発現が有意に亢進していた。また、PGE2の受容体(EP1-4)の発現について検討を行ったところ、PGE_2の4種類の受容体すべてにおいて、癌細胞に発現がみられた。特にEP3およびEP4の発現が、EP1、EP2と比較して強い発現が認められた。COX-2阻害剤が癌予防の薬剤として注目されているが、最近心血管系の副作用が指摘された。そこでCOXより下流である、PGESあるいはEPの阻害剤の開発が注目される。
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Research Products
(1 results)