2007 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部がんにおけるSP細胞の同定と幹細胞としての機能に関する研究
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19592000
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
藤井 正人 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 東京医療センター(臨床研究センター)・聴覚・平衡覚研究部, 部長 (70129633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 廣い 国立病院機構, 東京医療センター(臨床研究センター)・聴覚平衡覚研究部, 研究員 (40425773)
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Keywords | 頭頸部癌 / 癌幹細胞 / SP細胞 |
Research Abstract |
癌組織中には、自己複製と多分化能をもつ幹細胞の存在が明らかにされており、癌の再発、転移に癌幹細胞は深く関わっていることが報告されている。頭頸部癌においても高い再発率、転移率のために、根治治療にもかかわらず3年生存率は40-60%と予後不良である。再発、転移を抑制するために頭頸部癌における癌幹細胞の同定とその機能の解明は重要な課題である。 舌癌由来の2種類の頭頸部癌細胞株HSC3とHSC4を用いて、Side population(SP)の存在、Clone形成率また幹細胞マーカーの発現を調べた。その結果、HSC3はHSC4より高いClone形成能力を示したが、HSC4から形成したCloneのほうがAlkaline Phosphatesの発現が強く認められた。また、HSC3よりHSC4のほうがES細胞マーカーの発現が強く、HSC3において上皮前駆細胞のマーカーや上皮細胞のマーカー発現が強く認められた。さらに、HSC4にSP細胞の存在を確認されたが(約0.4%)、HSC3にはSP細胞の存在は確認されなかった。以上の結果から、頭頸部癌細胞株によって幹細胞としての強度が異なる可能性が示唆された。同部位の頭頸部癌であっても細胞集団の幹細胞しての機能が異なることが考えられる。今後、これら二つの細胞株について、癌幹細胞としての性質の維持、増殖、分化に関連する因子を解明して、さらに幹細胞と癌の生物学的悪性度との相関を検討する予定である。
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