2009 Fiscal Year Annual Research Report
言語は小児の脳でどの様に形成され障害でどの様に変化するか
Project/Area Number |
19592002
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
内藤 泰 Foundation for Biomedical Research and Innovation, 分子イメージング研究グループ, 客員研究員 (70217628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 道雄 財団法人先端医療振興財団, 分子イメージング研究グループ, グループリーダー (00216558)
藤原 敬三 財団法人先端医療振興財団, 診療開発部医師, 研究員 (10443566)
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Keywords | 言語習得前失聴小児 / 脳代謝 / FDG-PET / 人工内耳 / 遺伝子 / 語音弁別 |
Research Abstract |
前年度までの研究を継続し、小児の音声言語発達、特に高度難聴の影響とその克服について臨床研究を行った。前年度までに、言語習得前に失聴し、日常生活で音声言語習得の機会がなかった小児では、聴覚連合野の可塑的再編成により、側頭連合野で言語の視覚的側面の情報処理が行われ、頭頂葉の視覚連合野の活動亢進も加わり、視覚優位の言語処理が行われる事が示された。本年度は、これらの小児の人工内耳手術後経過を分析し、人工内耳で聴覚情報入力を補った場合でも、日常的に母親など養育者と接触する時間を十分に確保し、音声言語優位のハビリテーションを行わないと円滑な音声言語の習得に至らないことが見出された。また、同じ脳機能計測プロトコルを使用して連携している研究施設では、脳機能計測結果と遺伝子変異、ウイルス感染等の難聴原因との相関を検討し、低年齢の乳児期から高度難聴をきたすGJB2遺伝子変異例では成人になった段階でも上側頭回の側頭連合野での視覚的情報処理が認められたが、乳幼児期当初には聴覚が残存していたと推測されるSLC26A4変異例では上側頭回の有意な賦活が認められなかった。以上の結果から、小児の円滑な音声言語習得に低年齢乳幼児期からの聴覚補償と日常的な音声言語使用が重要であることが再確認され、そのために脳機能計測や遺伝診断などの客観的なデータに基づいた療育方針の選択が重要であると考えられた。
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Research Products
(26 results)