2008 Fiscal Year Annual Research Report
高分子半透膜カプセルを用いた神経栄養因子産生細胞の眼内移植
Project/Area Number |
19592013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 誠 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60283438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加地 秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30345904)
西口 康二 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30447825)
伊達 勲 岡山大学, 医歯学総合研究科, 教授 (70236785)
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Keywords | カプセル化細胞 / 高分子半透膜 / 網膜色素変性 / 遺伝性眼底疾患 / 神経栄養因子 / 移植 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
平成20年度には19年度に引き続き眼科内に留置可能な高分子半透膜カプセルの試作を行った。具体的には、内腔径約1mmあるいは0.5mmの、分子量が約300kD以下の分子のみが通過できる高分子半透膜チューブを、細胞培養に用いる培養液(DMEM)中で約1cm長に切り出し、片端をレジンを用いてシールした後に、もう一方の断端から、神経保護因子等を組み込んだウイルスをトランスフェクションした培養細胞を注入し、その後にもう一方の断端をレジンでシールすることにより、神経栄養因子産生細胞のカプセル化を行った。細胞を注入したカプセルは、培養皿にて培養液中で2週間から1か月間37℃インキュベーター中で静置し、カプセルの外側あるいはカプセル周囲の培養皿上に細胞が増殖したものは不適格とした。カプセルを静置した培養皿の上清中における、各種の導入した因子のタンパク濃度をELISA法で計測した。次に動物眼を用いて、実際にこれを眼球に固定できるかを試行した。非吸収糸を用いて眼球内に浮遊させて留置する方法、角膜輪部から約3mm後方の強膜を半層切開して、ここにカプセルの一端を固定する方法などを試みた。その結果、固定中または留置中にカプセルが破損するものがあり、眼内に安全に留置するにはカプセルの強度を上げることが望ましいと考えられた。 カプセル化細胞を用いた治療方法は、近い将来現実的に臨床応用できる可能性が高い、安全で効果的な新しいドラッグデリバリーシステムと考えられ、眼球内に安全に留置するためにさらなる改善が必要であると考えられた。
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