2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを用いたレチナルファシン遺伝子異常による網膜色素変性の病態解明
Project/Area Number |
19592018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西信 良嗣 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (30379193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻川 元一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70419472)
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Keywords | 応用動物 / 脳・神経 / 臨床 / 発現制御 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に従い研究を遂行した。ゼブラフィッシュにおけるレチナルファシン遺伝子解析のためレチナルファシン遺伝子に関するトランスジェニックフィッシュを作製し解析を行った。 1.レチナルファシン変異遺伝子を持つトランスジェニックフィッシュの作製:挿入効率の良さと、操作性の簡便さという特徴を併せ持つ、Tol2トランスポゾン転移システムを用いてトランスジェニックフィッシュを作製した。レチナルファシン変異遺伝子を組み込んだTol2トランスポゾンベクターを作製し、このプラスミドDNAと転移酵素mRNAを受精卵にともに微量注入した。このようにしてfounder fishを作成した。 2.レチナルファシン変異遺伝子を持つトランスジェニックフィッシュの解析: (1)網膜電図:電気生理学的な変化を正常眼と比較検討した。正常眼との差異はなかったが、加齢とともに振幅の低下が見られることを証明した。匹数が少なかったので、更に検討する必要がある。 (2)RT-PCR法による発現解析:網膜よりmRNAを抽出し、RT-PCRによりレチナルファシンの発現を正常眼と比較した。経時的変化についても比較検討した。その結果、幼魚の段階よりmRNAの発現を認め、成魚において多くの発現を認めた。正常眼よりもトランスジェニックフィッシュにおいて多くの発現を認めることが証明された。 (3)免疫染色法:2ヶ月齢のゼブラフィッシュから摘出した眼球の凍結切片を使用し、抗レチナルファシン抗体を用いて免疫染色を行った。抗レチナルファシン抗体で染色された部分の面積を測定し、野生型と変異型との間でレチナルファシンの発現の量的変化を検討した。幼魚の段階より発現を認め成魚においても継続して発現を認めることが証明された。正常眼よりもトランスジェニックフィッシュにおいて多くの発現を認めることが証明された。
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