2008 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性の病態解明-視細胞における脂質酸化とマクロファージの役割
Project/Area Number |
19592019
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瓶井 資弘 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (40281125)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80335364)
辻川 元一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70419472)
坂口 裕和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80379172)
|
Keywords | 加齢黄斑変性 / 酸化ストレス / 脂質酸化 / マクロファージ / 網膜色素上皮細胞 / MCP-1 / 視細胞 |
Research Abstract |
加齢黄斑変性(AMD)の発症に関し、酸化ストレスの関与を示す報告は多い。我々は、AMD病巣が網膜で最も集光する部位の黄斑部であること考慮し、光による酸化ストレスとそれによって引き起こされる炎症反応が、病態に関わっていると言う仮説を立て実験をすすめてきた。これまでに、青色光照射(10001ux)によるマウス網膜全層での酸化リン脂質誘導、monocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)の増加を見出し、培養ヒト網膜色素上皮細胞に酸化リン脂質を投与するとMCP-1の発現上昇を認めることを報告した。 本年度は、低照度長期間の青色光照射により炎症が惹起されるか、局所投与した酸化リン脂質が生体内で炎症を引き起こすかを検討した。青色LED光(500lux)の下で3ヶ月間飼育したところ、通常飼育したマウスと比較し脈絡膜にマクロファージが集積していることを確認した(p<0.001)。酸化リン脂質、コントロールとしてリン脂質を網膜下注入すると、1ヵ月後、コントロールでは、組織変化を認めなかったが、酸化リン脂質注入眼では、MCP-1の上昇(p<0.001)、マクロファージの集積(p<0.001)、脈絡膜新生血管を認めた。これらの成果より、光による酸化リン脂質の増加、酸化リン脂質によるMCP-1の発現上昇、マクロファージの集積、脈絡膜新生血管の発生という一連の現象が生体内で起こっている可能性があり、加齢黄斑変性の病態に深く関与していると推測された。
|