2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大島 佑介 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (20362717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80335364)
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50294096)
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Keywords | 血管新生 / 無灌流領域 / 血管内皮細胞 / 抗VEGF体 / テノモジュリン / 酸素負荷マウスモデル |
Research Abstract |
血管新生モデルマウス(正常酸素圧室で飼育開始の時点)に対し、30ゲージ針もしくはマイクロインジェクション用のガラス針にて、マウス眼球に対して、抗マウスVEGFモノクローナル抗体(0.1□g/10□1)硝子体内注入し、もう片眼にはマウスTeMタンパクを0.1(□g/10□1),1.0(□g/10□1),10.0(□g/10□1)の濃度でそれぞれ注入した。その後の蛍光造影剤の静脈注射を行い、両眼球の網膜のフラットマウントより新生血管からの蛍光漏出(新生血管)部位と無灌流領域を顕微鏡にて観察したところ、抗マウスVEGFモノクローナル抗体(0.1□g/10□1)硝子体内注入はマウスTeMタンパクのいずれの濃度よりも網膜新生血管の抑制がもっとも顕著に観察されたが、無灌流領域の形成抑制は0.1(□g/10□1)がもっとも有意であった(P=0.023)。TeMタンパク濃度1.0(□g/10□1),10.0(□g/10□l)では抗マウスVEGFモノクローナル抗体(0.1□g/10□1)と無灌流領域形成面積に有意差はなかった。以上のことから、TeMタンパクは濃度0.1(□g/10□1)で新生血管形成と無灌流領域形成の抑制効果が最も強い結果が得あられ、ヘマトキシリン・エオジン染色による網膜組織像の観察で、この濃度における網膜細胞層の変性などが見られないことから、血管新生モデルマウスにおける新生血管抑制の至適濃度である可能性が示唆された。 一方、免疫組織学的検討において、抗マウスVEGFモノクローナル抗体投与眼とTeMタンパク投与眼では、血管内皮細胞におけるVEGF受容体であるVEGF-R1(Flt-1), VEGF-R2(KDR)の発現低下がみられず、CD31の発現にも両群で差が認められないことから、TeMタンパク投与による血管新生抑制のメカニズムを組織学的検討の側面から得ることはできなかった。また、硝子体ならびに網膜組織によるVEGFタンパク発現を検討したところ、抗マウスVEGFモノクローナル抗体投与眼ではマウスVEGFの発現が低下していたが、TeMタンパク投与眼ではマウスVEGFタンパクの発現低下がみられず、直接VEGHFを抑制することに介する血管新生抑制の可能性が否定された。今後はSDF1αや血球幹細胞系の血管内皮分化抑制を介した作用の検討を継続する予定である。
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Research Products
(7 results)